「足の爪が変色して分厚くなってきた!爪水虫かも?」
放置しておくと、他の足指の爪にも広がることもあります。
「爪水虫」について、症状、検査、治療などについて、解説しました。
1分ほどで読めますので、是非お読みください。
爪水虫は、足や手の爪に起こる水虫です。
足に起こる水虫はよく知られていますが、足の次に爪の水虫も発症率は高くなっています。
爪水虫は白癬菌というカビの一種が爪に感染することで発症し、「爪白癬」とも呼ばれています。
足の水虫のようにかゆみを伴うことはないものの、爪に異変が生じます。
爪がボロボロになったり、爪の色が白っぽくなったりしている場合には爪水虫が疑われます。
水虫が爪の中に入り込むことにより、引き起こされます。
爪水虫の場合、足の水虫が爪に移動して引き起こされることが多くなっています。
原因菌である白癬菌は、ケラチンというたんぱく質が栄養源です。
爪にはケラチンが多く含まれていることから菌が増殖しやすくなっています。
しかも、高温多湿の環境で繁殖しやすいため、靴や靴下を履く足の爪はとくに発症しやすいといえるでしょう。
水虫は、水虫を持っている人や動物に直接触れたり、剥がれ落ちた白癬菌のついている角質に触れたりすることで感染します。
爪水虫の場合、自身の足の水虫から足の爪に広がる他、手で触れることで手の爪に白癬菌が入り込むことで発症します。
また、足の爪の場合、足の指が太くて指同士が接触しやすい人は爪から爪へと感染が広がりやすいといわれています。
足指の爪が白色から黄色に混濁して、肥厚したり、もろくなって割れたりすることもあります。まれに手指の爪に起こることもあります。細菌感染を併発すると緑色や黒色に変化することもあります。
爪に白い縦線が入るような症状が出る場合もあり、症状が進行して爪がボロボロになっていきます。
爪の先端から症状が発症する場合もあれば、爪の根元から発症する場合もあります。
基本的に爪水虫では痛みやかゆみといった症状はありません。
ただし、症状が進行して割れた爪が皮膚に食い込んで痛みを伴うことはあります。
また、爪水虫は痛みやかゆみが伴わないことから自覚症状がなく、圧迫による爪の変色と勘違いされて放置されることも少なくありません。
しかし、放っておくと他の感染症を引き起こすリスクがあります。
とくに糖尿病の患者様は菌への抵抗力が低いため、細菌感染症を引き起こしやすく、進行も早いので注意が必要です。
爪の一部を削り採取して、顕微鏡による検査をおこないます。
当院では、検査結果はネットで確認することができます。検査結果を知るために、来院する必要がありません。
爪の圧迫により爪が変色して分厚くなり、水虫と間違われることもあります。
左右足指ともに線対称に変化する、爪が破壊されていないなどの傾向がありますが、まぎらわしいこともあり検査しないと診断は難しいです。
抗真菌薬の内服、もしくは付け薬を外用します。
内服薬は、薬の種類によって、飲む回数や期間が異なります。
抗真菌剤の内服は、肝機能障害などの副作用があることもあり、定期的に血液検査が必要になることがあります。
ドラッグストアでは市販されておらず、クリニックや病院で処方せんが必要になります。
爪水虫の治療は、新しく伸びてきた爪が感染しないようにすることが大切です。
そのため、外用薬もしくは内服薬を用いて治療を行います。
ただし、内服薬は肝機能障害などの副作用があることから血液検査を定期的に行いながら治療を進めます。
肝機能障害などを患っていれば内服薬が処方できない場合もあるため、外用薬で治療を行います。
妊娠中や授乳中の場合にも内服薬は使用出来ません。
内服薬でも外用薬でも、爪水虫はすぐには改善しないため根気よく治療を継続することが大切です。
症状が改善しても菌が消滅しているとは限らないため、自己判断で治療を中断することは避けましょう。
菌が潜伏していれば、再発の原因となります。
症状が改善したとしても、医師の指示に従って治療を続けてください。
爪水虫は足の水虫から始まることが多いので、足水虫にならないように予防することで爪水虫の予防に繋がります。
原因菌は共用のスリッパやプール・温泉などの床などに素足で触れることで感染するケースが多くなっています。
日常的にしっかりと足を綺麗に洗って菌を洗い流すように心掛け、蒸れによって菌が繁殖しないようにしましょう。
長時間靴を履くような場合には通気性の良い靴や靴下を選ぶなど工夫が必要です。
水虫は家族間で感染することも多いので、家族に水虫の人がいれば感染リスクは高くなります。
共用のスリッパやタオル、バスマットなどの使用は避け、床は掃除することで予防に繋がります。
また、爪水虫は自身の足の水虫を触ってしまうことで手の爪に感染するケースも少なくありません。
かゆみや皮がむけてしまうことで気になって無意識のうちに触ってしまうこともあるので、注意しましょう。
爪水虫が疑われる場合は、皮膚科におかかりください。
当院皮膚科では、爪水虫の検査、治療をおこなっています。お気軽にご相談ください。